それまでの過程 ―ヒロインサイド―
今日こそ、聞く
絶対聞く。
だって気になるもん。
大好きだもん。
あの人のこと。
好きな人がいるならその人以上に魅力的になりたい。
「。今日はアールグレイだよ。」
ルーピン先生が私にカップを渡す。
熱いから気をつけて、と一言添えて。
本当に熱い。
だけどいい香り。
美味しい。
やっぱりルーピン先生の煎れる紅茶は格別だ。
雑談に華を咲かせる、まったりとした時間。
ルーピン先生がお茶を飲むため、会話が途切れた。
聞くなら今だ。
「あの・・先生はもし生徒に告白されたらどうしますか?」
ルーピン先生が驚いてる。
「何を突然・・・」
「気になるんですよ。ここの先生と生徒ってずっと一緒にいるでしょ?
だからそういうことがあっても不思議じゃないと思うんです。」
そういうと、ルーピン先生は苦笑する。
その苦笑も魅力的に素敵にかっこいいです(爆)
「そうだね。きっとそういうことがあってもおかしくはない。
しかし、何もわたしに聞くことはないだろう?」
だって気になるんだもん。
「だって今、目の前にいるのルーピン先生だもん。答えてください。」
ルーピン先生が黙る。
言葉を探しているようだ。
「わたしなら・・・そうだな・・・万が一、告白されたらよく考えるだろうね。
決して相手の気持ちを踏み躙ることはしないよ。その時にならないと分からないけどね」
そっか・・・
やっぱりルーピン先生は優しいなぁ・・・
「じゃあ・・先生は今まで生徒を好きになったことはありますか?」
「それは・・・答えられない」
「何で?私とルーピン先生の仲じゃないですかv答えてください」
きゃは☆っと可愛らしく言ってみる。
またもや苦笑。
「うーん・・・まだ教師になったばかりだからね」
「じゃあ、気になる子とかは?」
「まぁ、いなくはないけど・・・人間だからね。人に好意くらいは抱くよ」
いるんだ・・・
ねぇ、誰なの?
「・・・その子のこと、今でも好き?付き合いたい?その子以外に告られたらやっぱりふっちゃう?」
「・・・この話はもうやめ・・」
「あ〜!そうなんだ!まだ好きなんだ!付き合いたいんだぁ!」
「いや別にそういうわけじゃ・・」
「先生、顔真っ赤ですよ?(笑)」
笑いながら言ってる私。
だけど、やっぱり聞かなきゃよかったと思ってしまう。
「あのね、。こういうことはプライベートのことだろ?それにあまり大人をからかうのは・・」
「ルーピン先生。私も・・・好きな人いますよ?だからここは腹を割って話しましょうよ☆」
先生の好きな人のこと聞けたら私も言おう。
正直にはっきりと。
もう心の準備は出来ている。
「君とわたしでは状況が違うだろ?」
先生、あまり乗り気じゃないみたいですね(苦笑)
でもどうしても聞きたい。
「ねー、先生の好きな子って私も知ってる人?」
無理矢理話を持っていく。
こうなったら・・・言うしかない。
「私の好きな人はねー、先生もよく知ってる人だよv」
「へぇ?同じ学年の人かい?」
「ぶー!」
「わたしもよく知ってる人ってことはわたしが授業を受け持ってるクラスの人なんだね?」
「って先生、全クラス受け持ってるじゃないですか!(笑)」
「あぁ、そうか。では・・」
「先生ですよ」
「え・・?」
真剣に、先生の目を見つめて言った。
きっと先生、自分のことだと思ってる。
・・・そうなんだけどね・・・
だけどまだ言う場面じゃない。
「生徒じゃないんです。私、先生が好きなんです」
一応、そう言ってみる。
弁解みたいだけど。
だけど本当だもん。
生徒じゃなくて先生が好き。
ルーピン先生がね。
「わたしがよく知ってるっていうと・・さてはセブルスだな?」
そう悪戯っぽく言われて内心傷つく。
そっか。
ルーピン先生は私が他の人のこと好きでも別にいいんだ。
やっぱり他に好きな子がいるから・・・
だけどここで黙ってしまったらきっとスネイプ先生が好きだと誤解されてしまう
慌てたフリして言う。
「まさか!なんで私がスネイプ先生なんかを好きにならなきゃいけないんですか!?
あんな、スリザリン贔屓で性格最悪でべったりねっとりしたような人を!!」
力強く否定。
すいません、スネイプ先生。
今、ルーピン先生が溜息ついたのは気のせいかしら?
がっかりの溜息?
それとも・・・・
「じゃあ、誰なんだい?腹を割って話すんだろ?が言ったらわたしも言おう」
本当に言ってくれるなら・・・
何も恐がることなんてない。
強気でいればいいんだ。
私は満面の笑みを浮かべて言った。
「さっき言ったじゃないですか。私の好きな人」
「ホントに?」
「えぇ、確かに言いました。先生ですよって」
「そ、れは・・・」
先生がびっくりしてる。
今度こそ、ごまかせない。
だけどいい。
好きなのは本当だから。
だけど・・・
「私、まだ失恋したくないんでもう帰りますね。お茶、ご馳走様でした」
それだけ言って部屋から出てきた。
言っちゃった・・・
言っちゃったよ、おい・・・。
あ。
そういえばまだルーピン先生の好きな人聞いてない!
一生の不覚(落)
だけどいいや。
またそれを口実にお茶することも出来るし。
何事も強気でいなきゃ。
数日後、はルーピンの好きな人を聞いて驚きのあまり泣き出したそうです。
☆いいわけ☆
勢いで書いてしまったこの話。
本当はもっと練って練って練りまくってUPしようと思ったんですが・・・。
ルーピンサイドより長くなってしまいましたがいかがでしょうかね?
ちなみにタイトルは「それまでの過程」ですが、なにが「それまで」なのかといいますと、
「恋人になるまで」です。
え?そんなの分かってたって?
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