知ってる。

あなたの正体。

だってずっとあなたのこと見てきたんだもの。

 

 

月明かりの下で

 

 

 

「ねぇ、先生。何か・・私に言うことはなくて?」

 

 

そう言うと、ルーピンは首をかしげて「?」というような顔をした。

「さぁ・・?何も思い当たらないけど・・?」

「そう。じゃあいいわ。・・・今日はもう帰りますね。また来ます。」

そう言ってはルーピンの自室を出て行った。

出て行くを止めることができなかったルーピン。

「わたしはに何かしたかな・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

先生。

何で私には言ってくれないの?

先生は私のこと信用してない?

私、知ってるよ。

先生が・・人狼だってこと。

だって、私これでも闇の魔術に対する防衛術は学年トップだし。

それに・・それにいつもあなたを見てるから。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、。わたしは君に何かしたかい?」

「何でそう思うんですか?」

、怒ってるだろう?」

「身に覚えはありませんか?」

「・・・ごめん。思い当たる節がない・・」

「そう。・・・別に怒ってないから。いいですよ」

そう言うとはルーピンに口付けた。

そのキスはどんどん深さを増していき、お互いの息が上がる。

ゆっくりと余韻に浸りながらは唇を離した。

「・・・・?」

「先生は・・・・私を愛してくれてますか?」

「うん。愛してるよ。」

「じゃあ、信用してくれてますか?」

「あぁ。誰よりも信用してる。」

「じゃあ・・・なんで言ってくれないんですか・・?」

「・・何をだい?」

「とぼけないでください。私はこれでも防衛術は学年トップですよ?」

「君は・・」

―まさか、気付いて・・?―

「先生。もう、いいです。さようなら」

涙が零れ落ちそうになり、は部屋を走り去ろうとした。

ルーピンは行かせまいとの腕を掴んだ。

 

 

振り向いたを見て一瞬怯んだ。

は涙を流して悲しそうな切ない目をしていた。

・・・」

は・なしてっ・・!!!!」

ルーピンの一瞬の隙を見ては出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

「わたしは・・最低だな・・・」

1人、呟くとルーピンは自嘲的に笑った。

 

を信用してないわけじゃない。

きっとなら人狼という運命を背負った自分でも受け入れてくれる。

だけど・・もし軽蔑されたら?

もし、彼女が離れていったら?

もうこれ以上誰も失いたくなかった。

それでも・・・

 

 

 

「・・・行くか・・・」

 

 

 

 

 

 

 

わたしは君に、今からの運命に全てを賭けるとしよう。

打ち明けて離れていっても、怖がられても、軽蔑されても、それは仕方ない。

それも1つの運命だ。

それでも、もしかしたら・・・という期待を持とうじゃないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

。聞いてくれ。わたしは・・・人狼なんだ」

 

 

 

 

 

 

 

人狼という重い運命を背負っていても、を愛してる。

満月の夜、わたしはケダモノになる。

それでも。

どんな姿になろうともの事を心から愛することを誓うよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「先生。やっと言ってくれましたね。」

 

 

 

 

 

 

それ以上の説明なんていらない。

真実だけでいい。

私はあなたがどんな姿になろうとあなたを愛してます。

だから。

もう、隠し事なんてしないで。

 

 

 

 

 

 

 

。ありがとう。」

「・・・リーマス。」

。」

「リーマス。」

、愛してる。世界中の誰よりも」

 

 

 

月明かりの下。

2人は甘い口付けを交わした。

 

 

★End★

 

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★あとがき兼言い訳のコーナー★
THE★意味不明ドリーム。
あわわわわ(汗)勢いに乗って書いちまったぜ、おい。
なんか暗い・・・。
ほんとは悲恋を書きたかったんです。
だけど、こんな方向に捩れてしまいました。
ごめんなさい!!