甘い季節
今年もあの季節がやってきた
君に
「意味がわからない・・・・」
「え?どれが?ちょっと見せて」
明日はバレンタインデー
今年も大好きなあの人に気持ちを込めてお菓子をプレゼント
「リリー・・・(涙)これってどういうこと??」
「は本当に料理ができないのね・・・(苦笑)」
「むぅ・・・」
去年はハニーデュークスのお菓子の詰め合わせをあげた。
一昨年は確か故国、日本から取り寄せた六花亭の生チョコ。
その前は・・・あぁ、まだそういう関係になってなかったっけ・・
付き合いはじめて早2年。
今年こそ手作りを!と思って作ってるんだけど・・・
「だぁぁぁ!!!!!わっかんないよー!!!」
「!本を床に投げつけない!」
「うぅ・・なんで世の中には手作りというものが存在するんだよぅ・・(泣)」
イギリスではバレンタインに女の子が男の子にチョコをあげるという習慣がない。
渡すのは女の子でも男の子でもOKで、それがチョコとは限られてない。
だけど私の最愛の恋人、リーマス・ルーピンは甘い物が好きだ。
だから毎年こうしてチョコやらをあげてるんだけど・・・
『ねぇ、リーマス?今年は何が欲しい?』
『んー?v』
『なっ・・・///』
『そんなに驚かないでよ・・・は本当に可愛いんだから(笑)』
『からかわないでよ・・・(脱力)で?何か希望はある?』
『がくれるものならなんでも嬉しいよ』
『それじゃあ答えになってないよー』
『別に何かくれなくてもこうしての側にいることができるならそれでいい』
『むぅ・・・(嬉しいこと言ってくれるなぁ・・・)でもリーマスに何かあげたいの』
『そうだなぁ・・・じゃあの手作りのお菓子が食べたいな』
『ぅえっ!?手作り?!』
『そうv何でもいいからさ』
はぁー・・・
リーマス、私が料理下手なの知らないからな・・・
「リリー!とにかく出来上がるまで見捨てずにお願いします!」
「もちろんよv」
「リリーはジェームズに何か作ってあげないの?」
「私は私をあげるのvカードを添えてv」
「さようでございますか・・・」
けろりとそんなことをいうリリーに少し呆れた。
だけど嬉しそうな顔をしている。
それだけジェームズが好きなんだ、うん。
きっと明日の夜はリリーは部屋に戻って来ないんだろうな・・
「さぁ!あとはこれを焼くだけよ。いい?ここが1番難しいの。上手く膨らまなかったら今までの苦労が水の泡よ」
作っているのはチョコレートケーキ。
失敗しなきゃいいけど・・
「そういえば日本じゃ好きでもない人にプレゼントする習慣があるって聴いたけど」
「あぁ、義理チョコね。好きでもない人っていうか、本命じゃない人ね」
「本命以外にプレゼントして何か意味があるの?」
「んっと、多分、日頃の感謝を込めてーとか本命じゃないけど仲いいからーとかそんなんじゃない?」
「へー・・」
こちらでは義理のチョコをあげる習慣もない。
あげるのは本当に好きな人だけ。
そう、本当に好きな・・・
だからこそ手を掛けて心を込めて作りたい。
「!大変!!!」
「えっ!?」
そう言ってリリーがオーブンから出したチョコレートケーキを見た。
「萎んでる・・・」
「上手く膨らまなかったわね・・・」
チョコレートケーキは失敗
もう夜も遅い。今から作り直す時間もない。
「リリー・・せっかく手伝って貰ったのにごめんね・・」
「何言ってるのよ!!大丈夫よ!味は絶対いいから。それに物が全てじゃないわ。気持ちが問題なの」
「うん・・そうだよね!それにリーマスならきっと美味しいって食べてくれる!」
「そう!その意気よ!」
と、いうわけで萎んだチョコレートケーキをきれいにラッピングする。
気持ちを込めて書いたカードもそれに添えて・・・
「出来た・・」
「明日が楽しみねvリーマス、きっと喜んでくれるわよv」
「うん」
「ジェームズvハッピーバレンタインvvプレゼントはこのわ・た・しvv」
「本当かい?!リリー!!何にも勝るプレゼントだよ!!」
と言ってひしっと抱きしめあう2人。
本当にラブラブだなぁ・・・(苦笑)
それを見て隣りにいるリーマスも苦笑する。
「。部屋、出ようか。」
と言ってリーマスは私の手を取る。
『2人っきりになれる場所行こう?』
耳元で囁かれる。
私、絶対顔真っ赤だ・・・
「ぅ・・うん///」
そうしてやってきたのは中庭。
ちょうど上手い具合に誰もいない。
「やっと2人っきりになれた」
「うん」
「せっかくのバレンタインなのに他人のラブラブっぷりを見せ付けられるのは辛いね」
「そうだね(笑)・・・あのね、リーマス」
「うん?」
「これ・・・」
昨日作ったチョコレートケーキを渡す。
それを受け取ってリーマスはありがとう、と優しい笑顔になる。
そうしてがさがさと丁寧にラッピングを解く。
リーマスは中から出てきたチョコレートケーキをまじまじと見る。
「あのね、手作りなの・・・」
きっと吃驚してるんだろうな・・・失敗作だもん・・・
「わ、私・・実は料理が苦手で・・頑張って作ったんだけど・・・・上手く膨らまなくて・・・」
リーマスは何も言わない。
「だけどきっと味は大丈夫だから!悪いのは見た目だけで・・・」
「が作ったの?これ」
「え?あ、うん」
「ほんとに?」
「ほんとだよ。下手すぎて吃驚した?」
そう苦笑しながら言う。
リーマスはにっこり笑ってチョコレートケーキを口に頬張る。
「うん。とても美味しいよ」
「ほんと?」
「うん、ほんと。ほら・・」
そう言って唇が重なる。
はじめは触れるだけの、それが深さを増していく
チョコレートケーキの甘さとリーマスの甘さと
それだけでチョコのように溶けそうになる。
「ん・・」
「ね?」
「ぅ・・うん///」
「、本当にありがとう」
「失敗作でごめんね・・・」
「美味しかったよ?それにの気持ちが何より嬉しかった」
そう言ってリーマスはふんわりと笑み、また口付けた。
何度も確めるように。
バレンタイン
甘い、チョコのように溶けるような季節
私はこうしてまた彼の甘さに犯されていく
〜おまけ〜
「今日の夜、の部屋に行ってもいい?」
「ぅえっ!?」
「いや?」
「(そんな捨て犬のような目で見ないでー!!!)」
「嫌ならいいんだ・・」
「はぁ・・・いいわよ・・・(溜息)部屋で待ってる」
「ケーキのお礼で今日は存分に可愛がってあげるねv」
「(溜息)」
★End★
いいわけ
オチなし、意味不明駄作。
あちらではバレンタインは本命にしかあげないというのが相場だそうです。
義理でも、すきでもない男性にチョコをあげたら大変なことになるとか・・・
イギリスの男性はチョコが大好きだそうです。
よく駅とかにチョコの自販機が置いてあって、会社行く前の男性とかがよく買って食べるとか・・・
だからきっとリーマスもチョコが大好きだ!
えっと、まぁ、バレンタインに間に合ってよかった・・・
今日、2/14はこのサイトの一周年でございます!
ってことで一応、このドリーム、フリーにしますので欲しい方(いないと思いますが)
持ち帰ってくれて全然結構ですので★