終わりのないストーリー
残像
ここはどこだ?
わたしは確か・・・そうだ。
1人の少女に出逢ったんだ。
それで正体がばれて、ディメンターが現れて・・・あの少女が助けてくれた。
そのあとどうなった?
あの時、気に頭を打ち付けて気絶したんだ。
少女が必死でわたしの名前を呼んでいたような気がする。
それにしてもあの少女は誰だ?
「おはよう。シリウス・ブラックさん」
「・・・お前は誰だ?なぜわたしを助けた?」
少女は綺麗な笑みを浮かべながらわたしを見て言った。
「私があなたを助けてあげるって言ったはずよ」
「なぜ助ける?」
少女は笑いながら何も言わなかった。
「シリウス・ブラックさん。疲れているでしょ?もう少し眠りなさい。ここは安全だから」
少女の小さな手がわたしの目を覆った。
その瞬間、極度の眠気が襲ってきてわたしは本能の成すがままに眠りについた。
こんなにぐっすり眠ったのは何ヶ月、いや何年ぶりだろう。
「・・ウス・・リウス・・・シリウス。」
その声
逢いたかった
死なせたくなかった
「ジェ・・ムズ?」
「シリウス」
「ジェームズ・・!」
「シリウス。君は大切なことを見落としていることにまだ気付かないのかい?」
「何言ってんだよ?」
「シリウス。昔のことをよく思い出せ。僕達が死ぬ前のことだ。」
「ジェームズ達が死ぬ前・・?」
それだけ言うとジェームズの体は消えていった。
何も不思議に思わなかった。
自分でも嫌なくらい自覚はしている。
これは夢だ。
ジェームズはもう死んでいるから・・・
「シリウス・・シリウス」
誰の声だ?
聞いたことのある懐かしい声。
だけど・・・思い出せない。
「シリウス。私のこと忘れちゃったの?」
君は誰だ?
場面が変わった
ここはどこだ?
見たことのある風景。
そうだ。
ここはグリフィンドール談話室。
暖炉の前のソファに4人の少年がいた。
あれは紛れもなく、学生時代に名を馳せた悪戯仕掛人達。
まさしく自分だ。
楽しそうに話している。
次の悪戯の計画でも立てているのだろうか。
ひどく懐かしい、そしてもう決して戻ることのない風景。
この頃、まさかこんなことになるとは誰も思わなかっただろう。
また場面が変わった
ここは・・・家?
ベッドに横たわった女と涙を流している男。
「シリウス、何泣いているのよ。」
「・・・すまない。」
「あなたが謝らないでよ。悪いのは私。」
「俺が気付くのが遅すぎたから・・」
「シリウスのせいじゃないわ。」
「・・・」
「シリウス。私はもう長くないけどあなたは生きて。
これから先何があろうと、どんなに長い苦しみが襲おうと必ず解決できるわ。
だから頑張ってこの世を生きて。」
「!・・くそっ!なんでなんだよ・・なんで俺じゃないんだよ!!!」
あの涙を流しているのは自分?
?
誰だ?
何かが引っ掛かっているような気がする。
また場面が変わった。
「シリウス、は・・・死んだんだ・・・」
「っるせぇ!は・・・は・・!!!」
あれはリーマス?
若いな。
あれはちょうどホグワーツを卒業するかしないかあたりの頃だな。
ここは?
さっきとは違う家?
「リリー、ハリーを連れて逃げろ!あいつだ!行くんだ!早く!僕が食い止める!」
このシーンはまさか・・・
ジェームズ・・!!
守れなかった大切な友人達。
今度こそ命に代えてでも守りたい。
と、思った瞬間、辺りが暗くなった。
そして次に目の前に見えたものは。
床に横たわったジェームズとリリー。
目の輝きがなくそれはまるで死人のようで・・・
「わたしはまた助けることができなかったのか・・・?」
「シリウス、あなたのせいではないわ。」
この少女・・わたしを助けてくれた・・・
「君は誰だ?」
「本当に忘れてしまったのね。私の存在を・・」
そのときの彼女の顔は、少女というにはふさわしくないほど大人びていた。
わたしは何かを忘れているのか?
★あとがき兼言い訳のコーナー★
うわぁ〜、意味不明。。。え〜、1に引き続き、シリウスの独白です。
やっとヒロインの名前が出てきました・・がっ!
なんなんでしょう。。。これ・・・。