終わりのないストーリー

 

 

 

 

助力

 

 

 

 

・・・」

気付くとこの名を口に出している。

思い出せそうで思い出せない。

思い出そうとすると頭が痛くなる。

 

ジェームズ・・・

誰か・・・

教えてくれ。

 

 

 

『シリウス』

「ジェームズ?」

『元気かい?』

そう笑いながら話し掛けてくる旧友。

あの時のまま。

時が止まった、あの時のままの笑顔。

分かってる、これは夢。もしくは幻だ。

だってジェームズはもういないから

「ジェームズ、なんでこんなとこにいるんだよ。」

『君がどうしようもないほどバカみたいに情けなく見えたから。』

「そうか・・」

こんなことを言われても全然腹が立たない。

寧ろこんな会話が出来ることが嬉しい。

たとえ夢だとしても。

ジェームズは微笑みながらシリウスの隣りに座った。

『シリウス・・・随分と変わったね。昔のバカっぽさが抜けた。それに僕と同じ年になんてとてもじゃないけど見えないよ』

「・・・うるせーな。お前は、あの時のままだな」

『まぁね。死んでるからさ。若く美しいままで羨ましいだろ?』

「言ってろ(笑)」

『シリウス・・・君は一体何でそこまで悩むんだい?』

「自分でもわかんねぇ・・・」

『何が君をそこまで悩ませてる?』

「・・・・・という・・・最近出逢った少女だ」

『最近出逢った・・・?まるでその時、初めて逢った、というような口振りだな』

「そうじゃないのか?」

『なんだ。君、まだ思い出してないのかい?』

「そこが問題なんだよ。何か忘れているような気がするんだけど、思い出せない」

『どこまで思い出した?一度口に出して言ってごらん?』

「っと・・・誕生日プレゼントを貰った・・・プロポーズした・・・俺の彼女だった・・・リーマスがを好きかもしれない・・・

あと・・・という少女はもう・・・死んでいる・・・」

シリウスはそこまで言って自分の頬に冷たいモノが流れていることに気付いた。

―なんで涙が・・・―

『シリウス、そこまで思い出して尚、何を思い出そうとする?』

「よくわかんねぇよ・・・何で俺泣いてんだよ・・・知りもしない女のことで」

『シリウスの彼女だった、プロポーズした、は死んだ。そう言ったのは君だ。はもう知りもしない女じゃないだろ?』

「・・・そうか・・・」

『じゃあ他に何を思い出したいんだい?それ以上何を?』

という少女自身を・・・」

ジェームズは苦笑しながらシリウスの頬の涙を優しく拭う。

そして立ち上がるとすぅっとジェームズの体が薄くなる。

『もう君は大丈夫だ。』

「えっ?ちょっ・・待てよ!ジェームズ!!!」

『そのうち、思い出せる。君は・・・・』

「ジェームズ!!!ジェームズ!!!!!!!」

 

 

頬に感触が残ってる。

今のは夢じゃなかった・・・?

ジェームズ・・・俺を助けに来てくれたのか?

あの時、助けることが出来なかった俺を。

 

 

 

 

「シリウス」

「・・・・っ」

後ろを振り向くとが立っていた。

涙を流している。

「シリウス、泣かないで・・・」

 

 

 

 

 

『シリウス、泣かないで(苦笑)』

『泣いてねーよ!!!』

『そんなにチョコ無理矢理食べさせられたのが嫌だった?』

『だからっ!!!だぁ!もう!!!笑うなー!!!』

 

 

 

 

 

 

・・・?」

「シリウス・・まさか・・・」

「俺は・・・が・・・・なんで・・・・」

「シリウス・・・」

「俺は・・・俺・・・うあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」

「シリウス!!!!!!」

シリウスは顔面蒼白で叫び、気を失った。

は天に向かって笑顔を向ける。

「ジェームズ。助けに来てくれてありがとう。」

―もう、決心は着いた―

 

 

★あとがき兼言い訳のコーナー★
なんとか、なんとかシリウスさんを出しましたが。なんですか、これ?
ジェーシリ?シリジェー?どっちでもいいです(笑)
はぁ、なんとか終わりに向かってます。
やっとシリウスさん記憶を取り戻しそうです。
とにかく矛盾満載ですが最後までお付き合いの方お願い致します。