終わりのないストーリー

 

 

 

思い

 

 

 

懐かしい母校。

あの頃はほんとうに楽しかった。

将来のことなんて何も考えずにただただ毎日バカなことをやって楽しんでいた。

 

魔法を勉強するのも嫌いじゃなかった。

嫌なこともあったけど良いこともたくさんあった。

友達と呼べる人もたくさんいた。

人並み以上に恋愛もした。

自分の命に代えてでも守りたい大切な親友もいた。

 

今はいない。

 

あんなに仲が良かったのに風に吹かれた砂のように一瞬にしてバラバラになった。

あんなに簡単に幸せが崩れるなんて誰が予測しただろう?

 

ピーター。

原因の根源。

強いものにヘコヘコして生きていくしか能のない薄汚いドブネズミ。

いや、ドブネズミより性質が悪いか。

ズル賢いところだけ。

 

アズカバンから脱獄してその薄汚いドブネズミを殺るために戻ってきた。

まさかこんな形で、こんな想いで戻ることになるとは。

向こうに逝ってしまったジェームズはこの今のわたしの気持ちについてなんと言うだろう。


『頼む。アイツを殺して仇を取ってくれ』

 

『ダメだ、シリウス。ピーターは友達だろう?殺しちゃいけない』

 


・・・たぶん後者だろう。

ジェームズは相手がどんな奴でも殺したりするような奴じゃない。

 

リーマスはホグワーツの教師をしているらしい。

リーマスはわたしのことをなんと想っているのだろうか。

まだ親友と思っていてくれているのだろうか。

それともただの裏切り者と思っているのか。

 

ハリー。

ジェームズをリリーの息子。

ハリーはきっとわたしのことをよく知らないだろうし、人殺しだと思っているだろう。

それでも・・・

アイツを殺らなければ。

 

 

「ねぇ、あなたそこで何をしているの?」

 

 

後ろの方から声がした。

(まずい!見つかった!!)

振り返ったそこには1人の女性がいた。

女性というより少女と言ったほうが近いであろう、その少女は見惚れてしまうほど綺麗だった。

ここにいるということはホグワーツの生徒か?

「あなた・・・もしかしてシリウス・ブラック?」

(バレタ!!)

早くこの場から逃げ出さねば。

だけど足がすくんで思うように動かない。

 

「今、あなたが考えていることを当ててみせましょうか?」

何を言い出すんだ?この少女は。

「早くこの場から逃げ出したい。だけどなぜだか逃げれない。」

「なぜ・・・」

「やっぱり図星?そうだよねー。だってあなた脱獄者だもん。人に見つかったら即逃げ出したいよねー?」

「おまえは・・・」

「でも無理よ。だってあなたの足に呪文をかけているの。」

この少女は一体誰だ?

「逃げたくても逃げられない」

魔法省の追っ手か?

「でも大丈夫。私があなたを助けてあげる」

それとも味方か?

 

ガサッ。

「ディメンター!!」

くそっ!ここまで追っ手か来たか!

「シリウス!危ない!!」

ドン!

「エクスペクトパトローナム!」

小さな少女がわたしを突き飛ばし、わたしは木に思い切り頭をぶつけた。

「とっとと自分の居るべき場所へ、アズカバンへお帰りなさい!!」

・・・この少女はわたしを助けた?

 

遠のく意識の中で少女がわたしの名を呼んでいる気がした。

 

 

★あとがき兼言い訳のコーナー★
はい。やっとシリウス出てきました。
序章に引き続き名前変換な〜い!!ドリームじゃな〜い!!!!
色々と不可解なとこがありますけど、気にせずお読みくだされ★
多分、完結しても意味不明なドリームです。
萌黄が好きなように書いてますので・・
ってことですいますいませ〜ん♪