蓮華升麻
1人の友達。
異性だとか、そんなの全然意識しないで。
ただ一緒にいられるだけで楽しいと感じられる、そんな仲だった。
「ジェームズ。私、あなたが好きなの。」
瞬間、何かが変わった気がした。
「・・・ごめん、。僕達・・いい友達だろう?それ以上には・・・・見れないよ・・」
は必死に笑って
「そっか・・・いきなりごめんね。」
走り去ろうとした。
僕は背を向けたの腕を衝動的に掴んだ。
振り返ったの顔は。
泣いてこそいなかったけれど。
その大きな瞳には溢れそうなほどの涙が溜まっていた。
「見ないで・・・!」
僕はの腕を離してはいけないと思いながらも離してしまった。
それからだ。
彼女が僕を避け始めたのは。
リーマスやシリウスとかとはあんなに楽しそうに笑っているのに。
僕が近づくとなんら用事をこぎつけてどこかへ消えてしまう。
僕の顔を見るとどこかへ行ってしまう。
授業中、一度も顔をあわせようとしない。
避けられている。
僕は・・嫌われてしまったのだろうか・・・?
「ジェームズ、になんかしたのか?」
の様子に気付いたシリウスが問いだす。
「なんだか・・あからさまに避けられてない?」
少し考え込みながらいうリーマス。
「さぁ・・?あっ、あれじゃない?女性は一月に1回は落ち着かなくてイライラするときがあるだろ?」
あくまに冷静を保ちつつ冗談をかます余裕を装った自分。
「(溜息)ジェームズ・・・冗談事じゃないんだよ?」
「そうだぜ・・まったく・・」
飽きれる友人。
自分はなんて愚かしいのだろう。
僕のせいだ。
でもしょうがないだろ?
友達なんだ。
僕達はずっと。
それ以上でもそれ以下でもない。
正論を下したまでだ。
だけどなぜだろう。
の泣きそうな顔だけが頭に残る。
嫌われたくない。
僕達は友達だから。
離したくない。
僕達は友達だから。
失いたくない。
僕達は友達だから。
このままの状態じゃだめだ。
友達だから・・?
それ以上、かもしれない。
ただまだ女性として意識してないだけで。
そばにいる時間が長すぎたために何か大切なことを見落としているのではないか?
は僕にとって・・・・。
「。」
僕に突然呼ばれたの肩が微かに揺れる。
だけどそんなこと気にしなかった。
に突き出した1本の花。
それは細い枝に儚げに咲いた1つの小さな花。
白い花弁の中央にその存在を主張するかのような淡い紫を持つその花は。
「これ・・・レンゲショウマ・・・?ジェームズ・・一体・・?」
「。レンゲショウマの花言葉知ってるかい?」
優しく微笑み問うジェームズに、首を左右に小さくふる。
「大切な存在」
「え・・?」
「僕にとっては大切な存在だ。友達以上に。だけどまだ恋愛感情を持ってみれないんだ。
それでもは僕にとって大切な存在だから。失いたくない、離したくない存在だ。」
「ジェームズ・・・」
「まだ時間はかかるかもしれないけど君が待っていてくれるなら・・・」
「ジェームズ、ありがとう。」
そう言って笑ったはとても綺麗だった。
も、のこの笑顔も失いたくない。
僕にとっては大切な存在。
★End★
★あとがき兼言い訳のコーナー★
はい。一度はやってみたかった花言葉ネタ。
つってもジェームズの独白じゃん(爆)ドリームじゃないぃ・・・(涙)
でもこういうの個人的に好きなので(え?)
花言葉ものはシリーズ化して増えていきます(予定)
ちなみに花言葉は本などによって多少違いがあるので、そこら辺はご了承くださいましv
それにしてもレンゲショウマってイギリスにあるのか?